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1:幽玄
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2014/10/26 (Sun) 19:32:37
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発語運動は心と体の協調運動であり、体の状態がかなり重要です。
とにかく、体は発語に最も適した状態に持っていくこと。
これがはじめの一歩です。
特に重要なのが、息を充分に吸うこと。
吃音者は、発語時の恐怖や不安に集中してしまうため、自動化された発語運動が機能しません。顕著なのが、呼吸が浅くなることであり、呼吸が浅くなると肺に充分空気が入らないため、その状態で発語しようとしても、言葉は出ません。
言葉は、呼気と共に出ますが、吐く息が足りないので、体は発語運動に移行しないのです。
息を充分吸えば、楽に息が吐けます。
次に重要なのが、吸った息を保つために、声帯を閉じないこと(喉を閉めないこと)です。
息を充分吸った状態で声帯を閉じると、声帯に大きな圧力がかかり、声帯を開けることが困難になります。
息を吸うというのは、腹筋で横隔膜を下に下げることであり、そのまま腹筋を緩めなければ、横隔膜は下がったままとなって、息を保持できます。
そして、腹筋を緩めれば横隔膜が上がり肺の中の空気が押し出されます。このタイミングで発語すれば、力むことなくスムーズに発語出来ますので、お試し下さい。
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2:幽玄
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2014/10/27 (Mon) 21:45:42
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もう少し、分かりやすい説明にしてみます。
ぶうぶう風船(風船に笛をつけたもの)と人間の発声はそっくりです。膨らんだ風船がしぼむときに、空気が外に押し出されますが、そのときに空気が笛のリードを震わせて音が出ます。
これを人間に例えると、風船が体全体であり、リードが声帯です。
風船を膨らませるというのは、腹筋を使って横隔膜を下げることにより体の中の容積を増やして肺に空気を入れることです(肺が膨らむわけではありません)。そして、下がった横隔膜をもとに戻してやれば、肺の中の空気が外に押し出されるという訳です。横隔膜をもとに戻すには、腹筋を使って下にさげていたのですから、腹筋の力を抜いてやれば良いのです。
そうすれば、横隔膜が上にあがって(元にもどって)空気が出るのです。
そのときに、のどは開いたままにしておきます。決してのどから(声帯から)声を出そうとしてはいけません。
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3:幽玄
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2014/10/28 (Tue) 19:51:37
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最初に書くべきでしたが、息を充分に吸う前にやることがあります。
それは、息を吐くことです。
息を吐かなかければ、息を充分に吸うことは出来ません。
そして、息を吐くときに一緒に肩の力を抜くことが効果的です。
肩の力を抜くと喉や口の周りの力も抜けます。
喉や口の周りの筋肉に力が入っていると、当然ながらスムーズに発語出来ません。
肉体がそのような状態にあるときには、「発語出来ない」という信号が脳に送られ、予期不安や恐怖と相まって益々発語を困難なものにしてしまいます(これが吃音モードに突入するということ)。
反対に、喉や口の周りの筋肉が弛緩していると、「発語出来る」或いは「発語出来るかもしれない」という信号が脳に送られます。
ここまで発語のための肉体の準備が出来ていると、随分発語しやすくなります。