発語運動は心と体の協調運動であり、体の状態がかなり重要です。
とにかく、体は発語に最も適した状態に持っていくこと。
これがはじめの一歩です。
特に重要なのが、息を充分に吸うこと。
吃音者は、発語時の恐怖や不安に集中してしまうため、自動化された発語運動が機能しません。顕著なのが、呼吸が浅くなることであり、呼吸が浅くなると肺に充分空気が入らないため、その状態で発語しようとしても、言葉は出ません。
言葉は、呼気と共に出ますが、吐く息が足りないので、体は発語運動に移行しないのです。
息を充分吸えば、楽に息が吐けます。
次に重要なのが、吸った息を保つために、声帯を閉じないこと(喉を閉めないこと)です。
息を充分吸った状態で声帯を閉じると、声帯に大きな圧力がかかり、声帯を開けることが困難になります。
息を吸うというのは、腹筋で横隔膜を下に下げることであり、そのまま腹筋を緩めなければ、横隔膜は下がったままとなって、息を保持できます。
そして、腹筋を緩めれば横隔膜が上がり肺の中の空気が押し出されます。このタイミングで発語すれば、力むことなくスムーズに発語出来ますので、お試し下さい。